2013年11月30日土曜日

むかしむかしそのむかしおばあさんがこんなことを言いました(怖い話ではありません)

「ネコ殺し」という言葉をご存知だろうか。
 私は昔そのように呼ばれていたことがある。といっても家業が三味線業者だったりしたわけではない。もちろん、陰惨なペット虐待の趣味があったわけでもないし、そのような話を好んだというわけでもない。
猫の大虐殺 (岩波現代文庫)

2013年11月29日金曜日

2013年11月28日木曜日

辻井喬が亡くなった

 中学生の頃、なぜか家に一冊の「現代詩手帖」あった。なんで「なぜか」なんて思わせぶりな書き方をしたかというと、詩を、それも現代詩なんかを読むような人間は、当時家には一人もいなかったはずだからだ。私はといえば、詩の存在を国語の教科書を通してしか知らなかった。
 そこに掲載されていた詩の数々は、ケツの青いガキの理解をはるかに超えるものだったが、理解しえずともそのややこしい言葉の群れは、背伸びしたがりの中学生を魅了するのに十分なものだった。

2013年11月25日月曜日

イラン大使館のおもひでぽろぽろ

イラン核協議で歴史的合意
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9AN00M20131124

 ……ということで、ひとまずはやれやれ、と。決着は玉虫色だし、イスラエルはできたてのグラタンみたいに煮えたぎってるし、まだまだ予断は許しませんが、どんぱちなしに譲り合った結果はとりあえず良しとしたいものです。一番ほっとしてるのは、今まで革命防衛隊に押さえつけられていたイランの一般国民でしょう。
 ま、こういうのはお定まりと言うか、自国の交渉が「弱腰」に見えちゃうのは万国共通なのか、アメリカ人はこの「合意」に対してぶつくさ言う人が多いようですね。

2013年11月24日日曜日

これはヒミツなんだがという話はヒミツでもなんでもない

 ある情報をできるだけ広めたいと思ったら、「これはヒミツなんだけど」と付け加えておけば良いーーみたいなことを毛沢東が言ったとか言わなかったとか(うろ憶え)。
 今朝の朝日新聞の二面「日曜に想う」にちょっと興味をひかれる話があった。

盗んでも漏らさぬ米国流
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311230385.html

2013年11月22日金曜日

そしてそれは封印されたのだった

 
その晩、ハハンク・ウィリアムス はアドルファス・ホテルでべろべろに酔っぱらっていた。どのくらい酔っていたかというと、たまたま同席した男と「なぞなぞ遊び」に夢中になってしまうくらいだった。

2013年11月21日木曜日

『失われた時を求めて』について前々から抱いている不埒な考え

 今年は『失われた時を求めて』が刊行されて百周年に当たるそうだ。
 これほどまでに多くの読者を魅了しつつ、かつまたよりいっそう多くの挫折者と、さらにまた多くの読んだフリをしている人を生みだした小説はないだろう。源氏物語だって、読み切った人間はもっと多いはずだ。そういえば、若き日のアナイス・ニンは、源氏物語の翻訳を読んで「これはフランスの心理小説の稚拙な模倣だ」と日記に書き付けたそうだが。
失われた時を求めて』には当時のスノッブな日本趣味がそこここに散見され、サロンでは日露戦争の行方も話題になる。

2013年11月20日水曜日

ヒミツ保護法と「かゆいところをかく」権利

「社会は必ず腐敗する。これが社会学の第一テーゼです」
 大学時代に受けた社会学基礎講座での第一声がこれだった。講師はまだ助手になったばかりの若い男だった。
「たとえ神や仏であろうと、社会を形成すれば必ず腐敗します」
 無神論を説くセリフで、これ以上先鋭的なものを未だ知らない。若い講師は、生徒たちの興味を惹こうと一生懸命だったのだろう。
「では、社会はどのように腐敗するか、と言いますと……」

2013年11月18日月曜日

誰もほめてくれないから自分でほめるとかはやめて

…………
 日本人が日本人に向かって日本のことを褒めて話すという風潮が近頃目立つようであるが、これは現在の日本においてはたしかにその必要があるからだと思うけれども、そこにちょっと微妙な呼吸があって、それほど変でないものと妙にくすぐったい、もうやめてくれと云いたくなるようなものとがある。
…………

2013年11月15日金曜日

アレを食べたらガンになりコレを食べればガンが治る

 娘が何やら学校でチラシをもらってきた。「乳ガンについて」と「子宮頸ガンについて」
 内容はどちらも似通っていて、早期発見がいかに重要か、そのために定期検診を受けましょう、健康な生活を心がけてガンにならないように気をつけましょう、そんな感じ。二つに分ける必要がどこにあるのか良く判らない。これはやはり、鼻の穴がなぜ二つに分かれているか、というのと同じような、人体の神秘というやつなのだろう。
 がしかし、中学生のうちからガンについての認識を高めておこうという意図は判らなくもない。ガンは今でも日本人の死因のトップだ。
 ところで、日本人がガンで死ぬことが多いのは、長寿化して他の病気にかからなくなったから、と言われているけど、人口比でガンの死因が日本よりも多い国って、モルジブとかモンゴルとか、ボリビアとかホンジュラスなんだよね。これらの国って日本より長寿国なんだっけ?統計ってむつかしーね。

2013年11月13日水曜日

いったいわたくしという現象はなにを食べておおきくなったか

 食品偽装、というのが巷で騒がしいようだ。
 しかし、食べ物などというものは、自分で育てて口にするのでない限りは、いったい何を食っているのやら食わされているのやらよくわからん、というのが本当のところだろう。

 私と食品偽装の出会いは、五歳の頃にさかのぼる。

2013年11月11日月曜日

ドイツの9/11

 ドイツの9/11はいろいろと印象深い日だ。といっても九月十一日のことじゃない。あちらでは表記がひっくり返ってるので、十一月九日ということになる。(本当は一昨日書くべきエントリーだったんだろうけど、まあいいや)
 果たして十一月九日のドイツに何が起こったか、ちょっと並べてみよう。

2013年11月10日日曜日

何も考えてない時に何を考えているか

 何やらぼーっとしてる人に、「何考えてんの?」ときくと、不意をうたれたようにびくっとして「い、いや、何も」と答が返ってくることが多い。
 何も考えていない。すばらしい。無の境地だね。
 んなわきゃーない。人間いつだってなんかしら頭の中を駆け巡ってる。それが口に出すと恥ずかしいような考えのとき、「何も」と答えてるだけなのだ。
 今回は自分がぼーっとしてる時の頭の中味を、ここでちょっとさらけ出してみよう。

2013年11月8日金曜日

リアルという名の妄想とりあえずの〆もしくは女王様の裸踊りPart...いくつだっけ4くらい?

 何日かに分けてぐだぐだ書いてきたのは、「これまでリアルだと思われてきた経済ってものが、なんだかそうじゃなくなってきた」ということを示すためだ。
 ほんとはまだまだ書き足らないが、あんまり長くするのもなんなので、ここらへんで「どうしてそんなことになっちゃったのか」ということを述べておきたいと思う。

2013年11月7日木曜日

リアルという名の妄想続きの続きの続き

 また前回の続き。アベノミクスで引っかかることってのは「絶対成功することになってる」こと。「失敗が許されない」どころの話じゃない、「たとえ失敗しても成功したと言い張る」てことがあらかじめ決ってる。なんでそれがわかるかというと、何をもって成功と言うかの基準があいまいだから。あいまい、てか、「無い」から。
 だからアベノミクスについてあれこれ言うのは無駄なんだけど、やっぱちょっとだけ押さえておきたい。それは、「株価」の話。

2013年11月6日水曜日

リアルという名の妄想続きの続き

 今年のノーベル経済学賞は、ユージン・ファーマロバート・シラーの二人が受賞した。ファーマは理論家というより実践家で、株価のランダム・ウォーク説の論文で名を挙げ、効率的市場仮説でのちっとも当たらない理論式をちゃんと当たるように改良した。シラーはニュー・ケインジアンで、「根拠なき熱狂」の名付け親としても知られている。
 で、この二人、まったく学説上では一致していない。
 シラーはランダム・ウォーク説を「経済学史上最大の間違い」 、効率的市場仮説を「経済思想史における言語道断な間違い」とまで断じている。
 しかし、二人は同時に受賞した。こうしたことは以前なかったわけではなく、ハイエクが受賞した時も、正反対に福祉を重視するミュルダールが同じく賞を受けている。
 こういうことが起きる時ってのは、だいたい経済学が大きな変革を迫られている時だ。

2013年11月3日日曜日

リアルという名の妄想続き

 前回の続き。

 元々経済成長ってのは、国家とか社会がどのくらい発展したのか、を量る目安だったはずだ。
 それがいつの間にやら「目標」に格上げされて、何が起こったかというと格差の拡大ってやつ。なんで格差が問題なのか。いつの時代でもどこの国でも格差はあったじゃないか。うんそうだね。でもその背後にある問題をうんぬんするには、格差という形で現れてくる事柄を観察しておくのが一番効率が良かったんだ。
 経済成長率を目標とすることになった時、とっても頭のいい誰かさんが、あることに気づいた。
「これって、金持ちをどんどん金持ちにして、貧乏人をどんどん貧乏にすれば、同じようにに数字がのばせるよな」

2013年11月2日土曜日

リアルという名の妄想

 まず、ちょっと引用から。

…………
もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日本は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現 になることも多い)口走る連中は、みんな衣食足りているどころか飽食している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そう としたりすることはおそらくほとんどないということ。
…………

 これはとある経済を専門にしている人のブログからの引用。別にこの人個人に怨みがあるわけじゃないのでリンクとかはしない。ただ、こういうもの言いに、いわゆる「新自由主義」を標榜する経済の専門家の方々の「意識」 ってのが、よく現れているのでちょっと転載させていただいた。

2013年11月1日金曜日

未来を語ることが少なくなって久しいけれど


2020 日本列島未来予想図 (別冊宝島 2223)
    まだ二十世紀だった頃、人々はよく「未来」について語ったものだった。
 しかし二十一世紀と言う未来が本当にやってきて、人々は未来に関して言葉少なくなったと思う。
 原発が事故ってからは特に。