2016年5月30日月曜日

ワーグナーはユダヤ人だったか?

 ワーグナーはユダヤ人を「害虫」と蔑み、その営為を「ペスト」と呼んではばからなかった。
 フライゲデンクという偽名を使って刊行した、『音楽おけるユダヤ性』というパンフレットにはこう書き記している。

2016年5月29日日曜日

ワーグナーはきっと永遠に悪口を言われ続けるんだろう

 ワーグナーはショーペンハウエルに「音楽家とか向いていないからやめれば?」と、間接的にではあるが批判された。
 でも、ワーグナーは全然怒らなかった。むしろそれまで以上にショーペンハウエルに傾倒し、のちに『トリスタンとイゾルデ』の台本も贈っていたりしている。
 なんで平気なんだろう?そこいらのチンピラ学生に文句を付けられたんじゃなく、自らも讃仰する大哲学者にダメだしされたってのに。ワーグナーはもしかしてマゾ?
 んなわきゃーない。ワーグナーはそれまでに散々悪口を言われまくったおかげで、この程度の批判なんか、ががががーんとはねかえす鉄人28号な精神の持ち主になっていたのだ。

2016年5月28日土曜日

ショーペンハウエルとワーグナーについて



 1854年、ワーグナーは作家ゲオルク・ヘルヴェーク(革命詩人でマルクスの友人)からショーペンハウエル『意志と表象としての世界』を読むことを勧められ、即座にハマる。

レヴィナス『固有名』からマルティン・ブーバーに関する部分をメモ

固有名
エマニュエル・レヴィナス『固有名』から、マルチン・ブーバーに関する部分をメモ。

2016年5月26日木曜日

溝口健二『赤線地帯』の感想をメモしておこう

赤線地帯 [DVD]
    この映画『赤線地帯』は溝口健二の遺作になる。時代は戦後の、売春防止法が成立するかどうか、国会で綱引きしていた頃の話だ。映画は一九五六年に完成したが、製作中はまだ売防法は成立していなかった。映画のラストでは、国会で法案が否決されて業者が喜び、「俺たちは政治の目のとどかないところを補ってやってるんだ」と娼婦たちに言い放つ。
  この映画を見ていて良く判るのは、「溝口健二は女が嫌いなんだな」ということだ。(以下、ネタバレ有り)

2016年5月25日水曜日

昔はテレビで「出んのう屁えが」なんてギャグもやってたもんだけど

   こんなものが入荷しました。『実話雑誌』昭和二十五年五月号。カストリよりややマシか、そんなレベルの雑誌です。まだ「戦後」は全然終ってなくて、こんな雑誌がおできより簡単に、できてはつぶれ、つぶれてはでき、ってしてました。
 特集の一番下に、角ゴチックで「天皇立候補一覧表」なんて書いてありますね。おお、戦後の混乱で天皇を選挙で選ぶ事になったのだろうか、なんてなことはありません。この時期、「実は我こそ正当な天皇」と称する人間が雨後のタケノコよろしく全国に現れまして、その中の有名どころをリストアップしてるんです。現天皇は北朝の子孫で、「正統である」とされる南朝の方は途切れちゃってるもんだから、こういうときに我もわれもと群がり出てくるんですね。
 戦前でも「芦原将軍」というのがいまして、真の天皇を自称してずーっと精神病院に入ってました。どういう風向きか変な人気がでて、雑誌などにちょくちょくインタビュー記事が載ったそうです。

2016年5月23日月曜日

おやおや親親たいへんだー

 世の中には「理想の子育て」てのがありますそうで。
 その理想の通りに子供を育てると、成績がぐんぐん良くなって運動会ではいつも一番でクラスで積極的に発言する学校中の人気者、てな風にに子供がなれるんだそうです。
 有名なグールディング夫妻の〈子供に言ってはいけない言葉〉は以下になります。

2016年5月21日土曜日

どんなに大金持ちになっても人間はネコより幸せになれない

 パナマ文書が公開されたけど、日本国内ではさっぱり盛り上がる様子がない。
 マスコミがセーブしてる、てのはその通りかもしれないけれど、それ以前にみんな「なんだかピンとこない」というのが正直な所なのだろう。
 都知事がちょいと公金で温泉に行ったりとか、生活保護を受けてる人がパチンコしたりとか、そういうのは簡単にイメージできるけど、億やら兆やらの単位の金持ちが脱税してても、何がどうなっているのやらよくわからない、というわけである。
 ちゃんと考えれば、税金として国庫に収まって財政を健全化したり、でなければ市場に流動してトリクルダウン(死語)でもって社会を潤したり、そういうお金がどっかに滞留しているわけで、そうした滞りが社会を干からびさせてる、くらいのことは理解できる。
 でも、その金持ちどもは、その一生かかっても使い切れないくらいの金を抱えてどうしようというのか。
 というか、なんで金持ちというのはそんなに際限なく金を持とうとするのか。

2016年5月20日金曜日

努力と友情で勝利できるとかは漫画だけにしといて欲しい

食を満たせ―
バビロフとルィセンコの
遺伝学論争と植物遺伝資源
 昔々その昔、「ルイセンコ学説」というものがあった。
 どういうものかというと、「寒いとこにずっとタネをさらしとくと寒さに強い品種になる!」という、大変な苦労を重ねて品種改良されている方からしたら「なめとんか」と言いたくなるような話だ。つまりは「獲得形質は遺伝する」というわけで、メンデルもダーウィンも知ったことかな学説である。こんなのが本当だったら、両親がすっごい勉強するとその子供は生まれながらに頭がいいわけで、個人的な経験則からして「んなわけねー」とすぐにわかるような代物だ。

2016年5月16日月曜日

本を喰らう

巻物を食わされるエゼキエル

「昔のエラい人は辞書をむしゃむしゃ食べて暗記した」なんて話がありますが、腹壊さなかったんですかね。ヤギだって紙を食べると下痢するそうなのに。だから本当は黒ヤギさんも白ヤギさんも、手紙なんか書いてる場合じゃなかったりします。あ、そうそう、ドラえもんに「暗記パン」てのがありましたっけ。パンに書いて食べると暗記できるってやつ。実はこれ、聖書に似たような話があります。

2016年5月13日金曜日

『陶庵夢憶』の焚書


…………
隋の嘉則殿では書籍を三類にわかち、紅瑠璃、紺瑠璃、漆の軸で見分けをつけるようになっており、殿には綿入れの幕を垂らし、ぐるりに飛仙を彫刻してあった。帝が書庫においでになって、隠されたばね仕掛けをお踏みになると、飛仙が幕をまくり上げ、本箱の扉が自然に開く。帝が出てゆかれるとまたもとの通りに閉じる仕掛けになっていたそうだ。隋の蔵書はおよそ三十七万巻であった。

2016年5月12日木曜日

神すらも恥じ入ることだろう

 昔々、貧しい村に貧しい一人の男がいた。
 男は口をきかなかった。
 口がきけないのではなく、ただおのれの意志でひと言も喋らなかったのだ。
 男は鍛冶屋して暮らしていたが、そんな風だから日々の食い扶持も事欠く有様だった。
 両親は男が成人する前に亡くなり、男はそれからずっと独りだった。
 喋らない男に親切にする者はおらず、男は村中から蔑まれていた。面と向かってひどい言葉を投げつけられたり、つまらないいたずらをしかけられて笑い者にされたりした。
 それでも男はひと言も話さなかった。
 やがて男は老い、仕事ができなくなると自然に痩せ衰え、そのまましぼむように死んだ。男のことを顧みる者は一人としておらず、十日とたたずに忘れられた。

2016年5月11日水曜日

税金ってなんだろう?続き

    パナマ文書が公開された。
 何が問題かというと、「合法的に脱税した」ことが問題なわけで、「問題にならないことが問題だ」というオバマのセリフが的確にその核心を突いている。
 しかし、本当の問題はそれだけじゃない。
 こうしたタックス・ヘイブン(租税回避地)を利用した脱税は、個人のものもあるんだろうけど、企業によるものが圧倒的に多い。
 ここに、企業の本質が国家と対立するものだという、アダム・スミスによる予言──企業の利益は国家の利益と合致しないので、法律の制定は企業家に口を挟ませてはならない──がいかに正しかったか、というのが具体的に現れている。

2016年5月4日水曜日

果たしてゴルゴ13の最終回はどんな内容か?

ゴルゴ13で楽しむ リアル世界裏紀行:
 観光ガイドブックには掲載されない、
世界各地の真実を紹介! 
(C&L MOOK My First Knowledge)
    つとに知られた話だが、ゴルゴ13の最終回はすでに描いてあって、さいとう・たかをプロの金庫にしまわれているそうな。
 それがどんな設定なのか、ゴルゴ最後のスナイプの標的は誰なのか、というのは別に知ったこっちゃないが、自分個人の考えとしては、多分ゴルゴが今まで溜め込んだ国家予算並みのお宝が、どのような目的に使われるかという話になるんじゃないかと思う。
 ほとんど読んでないけど、そういう話ってこれまでなかったでしょ?あったんならスンマセン。でもその話が銃器や逃走経路の確保に金を使ってました、という程度だったらギャラの全額には届かないと思うけど。