また前回の続き。アベノミクスで引っかかることってのは「絶対成功することになってる」こと。「失敗が許されない」どころの話じゃない、「たとえ失敗しても成功したと言い張る」てことがあらかじめ決ってる。なんでそれがわかるかというと、何をもって成功と言うかの基準があいまいだから。あいまい、てか、「無い」から。
だからアベノミクスについてあれこれ言うのは無駄なんだけど、やっぱちょっとだけ押さえておきたい。それは、「株価」の話。
経済成長について話が逆になってるのは最初の方で書いたけど、株価についても似たようなことが起こっている。
株価の上り下がりってのは景気判断の目安なわけだけど、PKO(Price Keeping Operation)とかで政府が恣意的に金を突っ込むようになってから(こないだの暴落では年金基金をつっこんでたっけ)、株価が高い=景気がいい、とはならなくなってきた。
それでもちょいと前までは、株価が高い=これから景気が良くなる、くらいのことはあったんだけど、今や、株価が高い=政府が景気を良くしようとがんばってる、程度の話になっちゃってる。
なぜなら、株価を牛耳ってるのがほとんど海外の資金になってるから。
だって、海外にいる人間からすれば、その国の経済状況がどんな具合に煮えてきてるかとか、全然関心ないからね。ぶっちゃけ、自分が買った株さえ上がってればいい。だから企業が儲かっても、その儲けを社員たちにバラまくようなことは許さない。優秀なエリートに高額の給与を支払うことは容認しても、取り替え可能な歯車だか安全弁だかに、せっかくの儲けを使うことは許容できない。なので、企業は常に儲けつつリストラに精出さなくちゃならない。でないと株主様が株を売っぱらっちゃうから。
まあ、この冬は政府の要請もあったし、消費税アップも決定したんで、多少の賃上げがあったとしても株主様がやんちゃすることはないと思うけど。
そんなわけで、株価の上下という、本来リアルであるべきものがフィクション臭くなってしまっている。
なんでこんなことになってるかというと、上記の話からもわかる通り、株が投資じゃなくて「投機」になってるから。
少し前の話になるけど、著名な投資家でジョージ・ソロスって人がいるんだが、ある番組でインタビュアーがそのソロス御大にこんな質問を投げかけた。
「株をホールドする期間はどのくらいが適切だと思われますか?」
ソロスは一言で答えた。
「永遠」
そう、株なんてもんは本来、一度買ったらそうそう手放すもんじゃないし、ちょっと会社の収益が下がったくらいでばんばん売ったりしちゃいけないのだ。ま、ソロスは売ってるだろうけどね。
ジョージ・ソロス
さて、次回でまとまんなくてもまとめにしたい。
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