これ、江戸時代に平賀源内っておかしな人が広めたんだそうです。ウナギにしてみりゃ迷惑な話で、さぞ源内先生はウナギに恨まれたことでしょうな。もしかするとウナギに生まれ変わって、明日あたりお宅の食卓にあがるかもしれない。
元々この「土用丑の日」ってのは、「う」のつく食べ物なら何でも良かったそうで、ウシでもウサギでもウーパールーパーでもいいんです。ウーパールーパーはちょっと勘弁して欲しいですがね。
さて、近年ウナギが捕れなくなって来たとかで、やっぱ保護しなきゃいかん、限りある資源を大切にってことで、とうとうレッドリストてのに載っかったそうです。で、環境省のホームページから見てみるってえと、ああ、載ってるのってる。絶滅危惧ⅠB類(EN)てとこにちゃーんと「ニホンウナギ」と書いてある。ははあ、で、他にもゲンゴロウブナだのニゴロブナだの、やっぱり日本からはどんどん自然が失われてるんですね。「小ブナ釣りしかの川」なんてもう少ししたら歌えなくなるかも知んない。ウナギってのは別に嫌いじゃないけど好きでもないんで、もうずいぶん長い間食べてないんですが、好きな人は毎日でも食べたいものだそうです。なので、年中スーパーで売ってるし、東京じゃ駅ごとに一軒はウナギ専門店がある。レッドリストに載ったらもう食えなくなるんじゃないかって、騒いだ人たちもいましたね。ちょっと話が飛びますが、ウナギ好きの有名人ってえと、一番有名なのは斎藤茂吉です。「ゆふぐれて机のまへにひとり居りてうなぎを食ふは楽しかりけり」と、端からは寂しそうに見える食事でも、ウナギさえ食ってりゃ御満悦だったのがよくわかります。あとは横光利一ですか。若い頃うな丼しか食べない時期があって、金が足らないときはうな丼が食べられるまで我慢したとか。こういう人たちは、ウナギ減少に一役買ったってことで、ちょっと反省してもらいたいですなあ。私はもう二十年近く食べてないんで、全然関係ない。無罪。全面勝訴。へへん、ですな。
で、件のリストをぶらぶら眺めてるってえと、あれ?絶滅危惧ⅠA類(CR)てとこに、ベニザケ(ヒメマス)てのが見えますな……あの、これ、私もしょっちゅう食べてるあのベニザケのことでしょうか。どうもそれに違いない。クックパッドに八九種類もレシピがあったりしますんですが、どういうことですかね、こりゃ。
どうもこのレッドリストに載ったってことは、絶対捕るなてことじゃなくて、野方図に取引するな、てことらしいですな。密漁の密輸品だろうが何だろうが、あたいが安けりゃ半目をつむって仕入れちまう、というのはもうできない、ということ。まあ、この先ウナギの値が上がるとすりゃ、それはどんだけ密漁が含まれてたかという度合いによるってわけでありますな。
あ、でも今年はなんか安いんだそうです、ウナギ。やれやれ。
おあとがよろしいようで。
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