2014年12月12日金曜日

コガネムシはかねもちだ♪

 私はゴキブリが嫌いだ。
 どのくらい嫌いかというと、それが世界で最後の一匹となって、世界中から保護の対象とされたとしても、目の前に現れたら容赦なく叩き潰せるくらいだ。
 それについては、多くの人が同じ気持ちを共有していると信じている。カップ焼きそばの中で死んでいただけでこの騒ぎだ。
 かくも人類から嫌悪されつつも滅びることなく生き続けるとは、彼奴らは一体どれほどの生命力をもっているのか。あーやだやだ。


 ゴキブリが嫌いな人というと、鈴木大拙を思い出す。
 禅に通暁し、コロンビア大学で教鞭をとり、ジョン・ケージにも多大な影響を与えた偉人は、ゴキブリが大大大大嫌いだった。
 授業では禅の教えにのっとり、不殺生を唱えつつも、自分の研究室にゴキブリが現れるや、新聞紙を丸めてぶっ叩いたという。
 そのことを生徒がとがめると、「こいつらは書物の大敵なので、例外なのです」と答えたそうな。
 このエピソードを読んだ時、時空を超えて師事したくなった。

 さて、ゴキブリの元々の呼び名は「御器嚙(ごきかぶり)」だった。「御器」とは金持ちの使う食器であり、ゴキブリはそれをかじる虫のことだった。
 つまり、ゴキブリは金持ちのところにしかいなかったのである。
 童謡「コガネムシは金持ちだ」の、「コガネムシ」とは、今でいうチャバネゴキブリのことだそうな。
 今では貧富を問わず出現するのは、なんというか、思想の革命でもあったのだろうか。

 革命と言えば、メキシコの代表的な歌に「ラ・クカラーチャLa Cucaracha 」というのがある。
 クカラーチャというのはゴキブリのこと。
Pancho Villa
これ、民謡ということになっていて、日本でも『車にゆれて』というタイトルで流布している。
 しかし現在では、メキシコ革命の英雄パンチョ・ビリャ Pancho Villaについて歌ったものとなっている。オリジナルの歌詞よりも、ビリャの率いた軍隊が愛唱した「替え歌」の方が有名になってしまい、元々の歌詞は失われてしまったそうな。

 と、最近の事件に刺激されて大大大大嫌いな、ゴの字についてあれこれとうんちくたれてしまった。
 滅せよ!!

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