2014年8月4日月曜日

夏虫や書を採りていざ露天風呂/もしくはもしも本の無い世界に行ったらPart.2

  じりじりとあぶられるような日が続く。部屋のどこかで鉄板焼きのスイッチが入れっぱなしになってやしまいか、などと眠れぬ夜に不安がよぎったりもする。
 夏場は本が売れない。こんなに暑くちゃ、なかなか本を読む気になれないのは、当たり前のことといえる。
 さて、フランス人が夏に長期のバカンスをとるのはつとに知られたことだが、バカンス中にすることの定番は、一夏のアバンチュールなどではなく、読書だそうだ。

欧州の旅行者、休暇中の楽しみは今も「読書」



 なお、旅のお供には紙の本が好まれ、ドイツ人などは七割近くが「旅行中にはインターネットに触れたくない」と答えている。
 
 旅先で読みたい本をまとめて持って行くのもいいが、行った先でぶらりと入った本屋で、普段読まない本をひょいと買ってみるのも旅情があってよい。
 それが古本屋ならなおさらだが、もはや観光地に存在する古本屋など皆無に等しい。
 新刊の本屋ですら、ここ一年は一日に一軒がつぶれているという状況で、そのうち日本の田舎には一軒も本屋がなくなってしまうのではないかと思われる。Amazonがあるから地元の住人は困らないのかも知れないが、旅先ですら本屋に入りたくなるような人間にはやりきないことである。
 出版社はこのような状況を手を拱いて見ているだけでなく、どこぞの旅行会社と提携して「旅先で本を読もう」というブームを盛り上げたらいいんじゃないだろうか。

 旅先にある本屋は、大きく小綺麗である必要は無い。
 小さくて品揃えがよくわからないような本屋がいい。
 重ねて書くと、古本屋ならもっといい。

 最後に蛇足で、Part.1はこちら

アフガニスタンの本屋



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