なんとなくわかるようなわからないような文句だが、これについて解説すると、ヘーゲルが共同体というものについてどのように考えていたのか、てのを書かにゃならんのでチトしんどい。
なんでも児童虐待は全国で七万件を越えるんだそうだ。そういう数字だけを聞くと、「なんという人心の荒廃!」という感じがするが、それまで「しつけ」とされてたことが、ちゃんと「虐待」と認知されて来たということなんで、減らすのはまだまだこれからの課題のように思う。
だいたい欧米だって二十世紀前半くらいまでは「ガキなんざぶん殴って育てるのが当たり前」だった。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』なんかでも児童虐待のエピソードがでてきたりする。
お前はうちの子ではない 橋の下から拾って来た子だ |
しつけってのは、子供からの虐待に耐える覚悟が、まず第一に必要とされてくる。
でもみんな、「幼い子供が親を虐待するなんてあり得ない!」て思ってるから、親の逃げ場がなくなっちゃうんだよね。
それでついつい「お前なんかうちの子じゃない」なんて口走ったりする。
センダック『まどのそとのそのまたむこう 』 |
センダックの『まどのそとのそのまたむこう』という絵本もそれが元になっている。
「取り替え子」というのはとにかく醜くて、欲深で、親に意地悪をする存在だ。それでもなんとか育てていると、そのうち妖怪の方が子育てに飽きて、本当の子供を返してくれる、という寸法になっている。上手いこと考えるもんだね。
そんなわけで、子供の虐待を云々するのもいいけど、その前に「親ってのは子に虐待されるものだ」ってことを周知しておいた方がいいんじゃないのかな。あ、こんなこと教えたら、また少子化が進んじまうか。
小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)
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