しかしてその実態は……
学生時代は母(シカ)や姉(イヌ)の苦労を顧みず、飲む打つ買うで遊び呆け、渡米直前にも渡航費用を一晩で芸者遊びに使ってしまい、血脇守之助に工面してもらったとのこと。 晩年、修身の教科書に乗った自分の伝記を読んで、「こんな完璧な人間などいるものか」と吐き捨てたという。
では医学的にはどうだったかというと、生前は華々しい扱いを受けたが、現在その業績の大半は否定されている。といっても死後になってわかったのではなく、生前より疑問は提出されていたが、その名声の勢いにかき消されていたようだ。
もちろん戦前の日本では不世出の大科学者の如き扱いであったが、それでも昭和十四年刊行の岩波新書赤版『野口英世』(小泉丹著)に、控えめながらその業績に疑問が付されている。この本では、野口の人間性についても、伝聞の態をとりつつ、「非常に偉い人であると同時に、又非常に偉くない人」と書いている。
栄光なき天才たち 日本が捨てた偉人・野口英世編 (SHUEISYA HOME REMIX)
現在、千円札になってはいるが、野口が医学を「出世の道具」と考えていたことは広く知られている。しかし、そのことで石を投げることのできる科学者は、まあ、ほとんどいないだろう。いて欲しいけどね。
で、以前本宅の方に「ららら科学の子」と題したエントリーをいくつか連続して上げた。内容は「科学」批判、といってもよくある「世界にはまだまだ科学ではわからないことが」系のアレではなく、科学ってのは倫理をないがしろにしやすい、てお話。Part.2では論文データ捏造世界新記録の話を取り上げつつ、
>「科学は科学のみで完結しており、その外側にはいかなる存在も認めない」って傾向があらたまらない限り、こういうのはずーっと続きます。残念ですが。
と書いた。
でまあ、良くない予言というのは当たりやすいもので、現在に至るまでこのまんまずーーーーーーーっと続いている。
といってもあの割烹着を着たおねえちゃんのことじゃない。あんなのはマスコミが勝手に騒いで勝手に引きずり降ろしたようなもんだ。
もっともっとずっとずーーーーーーーーーっと深刻なのはこっち。
元教授、論文撤回を呼びかけ アルツハイマー研究
http://www.asahi.com/articles/ASG3N4SY0G3NUUPI001.html>アルツハイマー病研究の国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」の臨床研究データに基づいて米国学会誌で発表した論文について、筆者の1人である杉下守弘元東大教授が20日、データの14%に改ざんを含む不適切な例があったとして、共同筆者12人に論文撤回をメールで呼びかけた。STAP細胞の論文撤回問題で揺らぐ日本の先端医療研究への信頼がさらに失われる可能性がある。
なんせ「国家プロジェクト」、動いてる金の桁が違う。おまけにほぼ税金。
この件、杉下元教授が去年の夏からずーーーーーーーっと告発し続けているのに、厚労省の調査は及び腰、マスコミは割烹着ばっかりおっかけっぱなし、という禄でもない事態になっている。 どうやらことは厚労省の内部にまで及ぶ可能性が大なので、「穏便に」すませてしまいたいらしい。二月に形式的にトカゲの尻尾を切るようなフリだけして、お茶を濁そうとしてる。
そしてこれからも、こういうことはずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと続くんだろうねえ。はあ。
一応本宅の「心やましーららら科学の子ー」のリンクをこちらに。
心やましーららら科学の子ー
心やましーららら科学の子ー Part.2
心やましーららら科学の子ー Part.3
心やましーららら科学の子ーPart...知らん
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