総員玉砕せよ! (講談社文庫) |
水木しげるの訃報を目にした時、思わず「げ」と声が漏れた。続いてついつい「ゲゲゲのゲ」と歌ってしまった。
と、このように書いていても、全くその死を事実として受けとることが出来ない。いやもう、生きながら妖怪になっている人が、今更「おかくれ」になったからと言って、何を悲しむことがあろう。きっと今頃、身軽になって、そこら中を飛び回っているに違いない。
調布と言う町に長く住んでいるので、妖怪水木しげるに出くわすことはままあった。飄々という形容詞がよく似合う態で、自転車に乗ったりコンビニで中華まんを買ったりしていた。
きっと調布市では何らかのイベントが開かれることだろう。
しかし、町中で喪に服すとかは願い下げにしてもらいたい。
そうだ、以前こんなネタをブログに書いたことがあった。
……水木しげるは永年探し求めたものが、この町にあることを耳にした。
「超不思議界」、それが実際に存在するのだ。
なんという灯台下暗し、自らの住む町にそれは在るという。
しかも、町でその存在を知らぬものはないというではないか。
試しに駅の本屋で聞いてみると、店員さんがにっこり笑って場所を教えてくれた。
驚きあわてて教えられた場所に行ってみると、それは駅からほど近いところにあるビルだった。
入口に立つ警備員にきいてみると、やはり何事もないかのように場所を教えてくれた。
水木しげるはエレベータに乗り、震える指でボタンを押した。
やがて目的の階に着き、扉が開くと、目指す入り口の看板が目に飛び込んできた。
そこには大きく、そしてはっきりと、こう書かれていた。
「調 布 市 議 会」
……はいそこ、ツッコミはいらないから。
えー、調布市議会はいっそ、水木しげるを記念して「超不思議界」に改名してはどうだろう。一日だけでもいいから。
水木しげるのあの世の事典 |
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