2015年11月15日日曜日

『正法眼藏』は十八歳未満の講読を禁ず



   禅寺と言えば女人禁制、修行中の僧侶は女人の香りをかぐことすらない、なんて言われたりするのだが……

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 又、日本国ニヒトツノハ(わ)ライゴトアリ。イワユル或ハ結界ノ地ト称ジ、アルイハ大乗ノ道場ト称ジテ、比丘尼・女人等ヲ来入セシメズ。邪風ヒサシクツタハレテ、人ハ(わ)キマウルコトナシ。稽古ノ人アラタメズ、博達ノ士モカンガフルコトナシ。或ハ権者(ごんざ)(仏が現世に現れる仮の姿)ノ所為ト称ジ、アルイハ古先ノ遺風ト号シテ、更ニ論ズルコトナキ、笑ワバ人ノ腸(はらわた)モ断ジヌベシ。
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 たいして深く考えもせず女人禁制とか、腹がよじれるほど笑っちゃうぜ、てな感じ。
 この部分、第二十八礼拝得髄の後半部となっているが、永平寺に伝わる『秘密正法眼藏』にだけに残り、他の諸本にはいずれも欠けているという。そのためか、他の部分と違ってカタカナになっている。
『正法眼藏』が江戸期に整備される際、何か理由があって削られたのだろう、と言われている。
 他にはこのような記述もある。

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 又、イマ至愚ノハナハダシキ人オモウコトハ、女流(にょりゅう)ハ貪婬所対(とんいんしょたい)(婬をむさぼる相手となる)ノ境界ニテアリトオモフコゝロヲアラタメズシテコレヲミル。仏子如是(かくのごとく)アルベカラズ。婬所対ノ境トナリヌベシトテイムコトアラバ、一切男子(なんし)モ又イムベキカ。
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 律云(りつにいはく)、 「男(なん)二所、女(にょ)三所、オナジクコレ波羅夷不共住(はらいふぐうぢゅう)(懺悔しても許されない罪となる)
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 女性にスケベ心を起こすのも、男にスケベ心を起こすのも同じ。どっちにしろ重い罪になるぞ、という。
「男二所、女三所」というのは、男は口と肛門、女は口と淫門と肛門を指して、それを犯すことを戒める言い方。どこを使おうと、ダメなものはダメ、と。
 えー、江戸時代にもなるってえと、禅寺なんてのは男色のメッカになってるわけで。
 なんでこの部分が削られたのか、なんとなくわかってくるような気がする。
 こんな厳しい教え、もう守ってらんなかったんだろうね。
 確かに「一万人に一人の天才のための宗教」なだけあるわい。

 『正法眼藏』の中のセクシャリティについては、以前ここでも触れたことがある。参考までに。

 すんません、もう一回続きます。


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