内容は以下のようなものである。
これを見た人はどのような感想を持つだろうか。「ひゃっひゃっひゃ、その通りその通り!」と下品に笑って手を叩くだろうか。それとも「こんな風に言うなんてひどい。だいたいこれって、男にも当てはまるじゃん!!」と口を尖らせて憤るだろうか。
このリストのキモは「宝塚の」とされているところにある。
つまり、このリストが本物だろうが誰かが作ったものだろうが、「宝塚」と付されているだけでみんなが「なるほどなあ」と納得してしまうわけで、「宝塚」というところはいかにもこういうことを言いそうだ、と世間でイメージされているわけだ。
で、このリストにあるような人物について、読んだ人はなんとなく思い当たるところがあると思う。全部でなくとも、七、八割くらい当てはまるような人だ。
それは……
「父親」
だよね。
清志郎の歌の中で光ってる「お父さん」じゃなくて、リアルで家の中に居座っていて、滅多に笑わず、常にイラついていて、ちょっとしたことで怒り、口を開けばお説教、それに少しでも言い返すと「誰に食わしてもらってると思ってんだ」とかわめく。そのくせ変にナルシストで、男の哀愁とやらの実在を信じ、自分には背中で語る特殊能力があると自負している。
つまり、「宝塚」が本当に排除したいのは、ブスじゃなくて「父親」なのだ。
少なくとも世間は無意識の中でそう受け止めていて、大勢のファンたちは「父親」のいない劇場空間へと詰めかける。
このリストは、「宝塚」というものが「父親」を排除する場所であり、であるがゆえに数多の女性たちから支持を得ている、ということを明らかにしている。
ここにあるのは
「父親は醜悪である」
という一片の真理である。
女の子たちは、ブスな「父親」が大嫌いなのだ。
とまあいうわけだが、かくいう私は「宝塚」へ足を運んだこともなく、また現実に一児の父親でもあったりする。
もし将来、宝塚歌劇団が無くなることがあるとすれば、それは日本の社会から「父親」というものが消え去ったときだろうな、と思う。
次回に続く。
宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座 (講談社+α文庫) |
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