センダック、まどのそとのそのまたむこう |
なぜ「悪夢」が子供にとって必要なのか。
それは、これから出会うことになる「世界」には、それがどんなところであろうと、必ず「外側」がある、ということを教えるためだ。そうしたことを知っておけば、子供達はどんな「世界」に出くわそうとも、その「世界」には「外側」があり、目に見えるものだけが真実ではないとわかる。
そうした「外側」は、電子書籍の中に現れることはない。
スイッチを切れば真っ暗になって、メモリを消せば真っ白になる画面には、「悪夢」が現れる余地はないのだ。
紙の本は、閉じてもそこにある。開かなくとも書かれたことは消えない。たとえ本棚の向うに押し込もうとも、ひょんなことから目の前に転がり出る。
科学のチカラによって悪夢をぬぐいさられた電子書籍では、「世界」の「外側」を子供に示すことができないのだ。
だからセンダックは、電子書籍が大嫌いだった。
センダックは、子供にウソをつきたくなかったのだ。
Maurice Sendak: 'I refuse to lie to children'
http://www.theguardian.com/books/2011/oct/02/maurice-sendak-interview
>Ebooks: "I hate them. It's like making believe there's another kind of sex. There isn't another kind of sex. There isn't another kind of book! A book is a book is a book."
なんとまあ、それこそ子供には聞かせられないような罵倒だ。
このセンダックによる強烈な嫌悪は、近年科学者の間で語られるAI(人工知能)の問題につながってくると思う。
子供たちにこの上ない「悪夢」を残して、二〇一二年にセンダックは亡くなった。
初めて子供に与える本は電子書籍、という時代は来るだろうか?
このセンダックによる強烈な嫌悪は、近年科学者の間で語られるAI(人工知能)の問題につながってくると思う。
子供たちにこの上ない「悪夢」を残して、二〇一二年にセンダックは亡くなった。
初めて子供に与える本は電子書籍、という時代は来るだろうか?
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