2018年6月16日土曜日

「読書」が人を殺すことはあるか

    幼い頃、新幹線が大好きだった。そのスタイリッシュなデザイン、当時「世界一」とされたスピードを、子どもながら誇らしく感じていた。それは、日本の将来を、「豊かさ」を約束しているようでもあった。
 その新幹線で、無差別殺人事件が起きた。
 犯人は無職ではあるが、「読書家」であったという。

2018年6月15日金曜日

余は如何にしてスマホゾンビとなりし乎

    世の中に大きな変革が起きた時、その変化が真に「大きい」かどうか測るには、その変化が起きる前の生活をリアルに思い出せるかどうか、でわかるのではないだろうか。
 スマホがもたらした変革は、そうした意味でかなり「大きい」と言える。
 実際、スマホというものがなかった頃、どのようにしていたのか、断片的には思い出せても、それはリアルな感触を持ったものとして立ち上がってこない。
 自転車に乗れるようになった時、自分が以前どのようにして自転車に「乗れなかったか」、上手く思い出せないことに似ている。

2018年6月1日金曜日

誰がなんと言おうと『菊と刀』は超絶的な名著であるということの続き

The Chrysanthemum and the Sword: Patterns of Japanese Culture
 前回からの続き

 当時はネット環境なんかなかったので、タウンページで件の公的機関の住所と電話番号を調べた。
 出かける前に、念のために確認した。
「とにかく先方に謝るってことでいいんですね?」
 おじいさんは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「うるさい!!生意気なことをぬかすな!!!」

誰がなんと言おうと『菊と刀』は超絶的な名著であるということ

菊と刀―日本文化の型 (現代教養文庫 A 501)


 そのうち書こう、と思って書かないままになっている話がある。
 あまり心地の良い話ではない。
 おまけに、どう書いたらうまく人に伝えられるのかよくわからないし、実は今もわからないままだ。