マラルメの有名なセリフに「世界とは一冊の書物に至るべきものだ(Le monde est fait pour aboutir à un beau livre.)」というのがある。とても有名なのに人によって解釈が違ってくる、ということでも有名なセリフだ。ひねくれた人は「ル・モンドで連載して本にしたいなあ、てことだろ」なんて茶化したりする。しかしまあ、前回のようなことに気づけば、「人間の歴史って、読者の視線を意識してるよね」ということを言ってんだな、とわかると思う。
そういう「過去の歴史を神の如き視点から書物を読むようにして解く」なんてのが啓蒙思想で流行ったのは、ニーチェが否定してフーコーが批判してからはなはだ評判の悪いものになってはいるけれど、やはり「普通の」「凡庸な」読者にとっては魅力的であることに変わりはない。
そんなわけで、一年の締めくくりに大ボラを一発かましてみようと思う。どのくらいの大ボラかというと、マルクス並みのやつだ。しかも、ホラとは言えどちょっとマジだったりする。ちょっとだけね。