また憂鬱な季節がやってきた。
お山の杉どもが花粉をまき散らし始めたのだ。
今朝は娘が起き出して頭を一振りすると、くしゃみが止まらなくなり、しまいにはしつけの悪い座敷犬のような音が鼻から飛び出した。娘の髪にけっこうな花粉がとりついていたらしい。一瞬、娘の頭を丸坊主にしたくなったくらいだ。
願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ、と西行は詠んだが、自分としてはごめん被りたい。涙と鼻水とくしゃみで、おちおち死んでいられない。いや、もし死んだとしても、くしゃみのしすぎで舌を噛んだとか、そういう死因になりそうだ。まぬけすぎる。
では花粉症が発症する前は、春は待ち遠しい季節だっただろうか。
草木が芽吹き、どじょっこやふなっこが目ざめ、コートの前を拡げたがる男がうろつき、電車には痴漢が増える。
卒業したり入学したり、短い春休みが終わると学年が上になって、教科書が厚みを増し、年を追うごとに教師は変人が増える。大学教授なんざ、町を歩いてたらホームレスと見分けがつかなかったりする。
入社すればろくでもない上司と出会い、年毎に仕事はつまらなくなってゆく……いや、このくらいにはもう発症してたっけ。
春だからといって、心騒いでうきうきランラン、ということでは必ずしもなかったように思う。
ああ、そうか、きっとこの件も「春」だからだ。
全部春が悪いんだ。
ドイツ哲学者の芦田宏直氏が注意してきた新幹線車掌を名指し批判http://news.livedoor.com/article/detail/9856128/
しまいにゃワケのわからんことを言い出す。
なんだろう、「こんなはずかしいおとなになっちゃいけませんよ」のモデルタイプとでも呼ぼうか。
カントを読んだことがない人でも直観intuitionでわかると思うけど、Einbildungskraftってのは、こんなことで持ち出すもんじゃないから。
こういうワケのわからん人がワケのわからんことを言い出すのも、ぜーんぶ「春」だからなのだろう。
来んな、春。
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