『グランド・ブダペスト・ホテル』を観てきました。
こういう、美しくて、オシャレで、グロテスクなコメディは好きですね。大好物といっていい。
(以下ネタバレ)
舞台はズブロフカ共和国という酔っ払いそうな名前の国。まあ、確実にオーストリア=ハンガリー二重帝国
で、これ、シュテファン・ツヴァイク
ツヴァイクてのは、オーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーンを根城にしたユダヤ系作家で、理想主義的平和主義者でありました。彼の作品は世界各国でベストセラーとなり、ムソリーニも愛読していたという話があります。まあ、ムソリーニは「実は◎◎の愛読者」てエピソードが多い人ですけど。
あと、監督はハンナ・アーレントの『イェルサレムのアイヒマン』やらネミロフスキーの『フランス組曲』やらの名前を口にしてるそうで、こういうペダントリーって嫌いじゃないです。なんつーか、自分と同類のにほいを感じる。くんくん。
だからといって、よくある平和万歳ユダヤ人かわいそうな主張なんかは、まつげについたほこりほどにも目に入らないわけで、ただただ上質なコメディに仕上がっています。エンターテイメントじゃなくて、あくまでコメディに。
あと、映画のキーになる絵画『少年とリンゴ』とすり替えてかけられた絵って、エゴン・シーレもどきだよね。敵役にぶち破られてますが。
とにかく楽しい映画でした。ピーター・グリーナウェイ
あと、また例によって娘と行ったわけですが、娘の言うことにゃ
「あー、彼氏欲しいなー」
「あのな、じゃあ、まずこういう映画を父親とじゃなくて、男の子といっしょに観なきゃ」
「あ、そうか!!」
親に言われる前に気づけ、娘よ。
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