2015年8月29日土曜日
どっかで似たようなのを見かけたんだけどどこで見たのかかわからなくてもやもやするということ
見よ、この勇姿を!岡本太郎による永遠のシンボル太陽の塔である。バックからウルトラマンのテーマ が聞こえてきそうだ。
このとんでもなくへんてこな造形物に、なぜ我々は愛着を抱いてしまうのだろう?
それは、この見たこともないへんてこな代物が、どこかで見たような気がするからだ。
どこで?はるかな太古の昔に、と岡本太郎なら答えるだろう。
岡本太郎は縄文土偶の美しさに魅せられ、それを模した作品をいくつも作っている。太陽の塔はその集大成ともいえるものだ。
しかし、それをもって岡本太郎の作品を「縄文土偶のパクリ」という人はいないだろう。
で、例のオリンピックのエンブレムなんだが……
こういうもののデザインてのは、他にはないものでありながらどこか懐かしさをかんじるもの、という矛盾を解決しなくてはならんので、単純に見えてかなり難しい。
懐かしさにすり寄ると、たいていどっかに似たものがあったりする。
件のエンブレムは、どっかで似たようなのを見かけたんだけど、それがどこだかわからなくてもやもやする、感じのものだった。発表当時から何かしら不評だったのは、そういうこと。
今回たまたまベルギーからアクションがあって、みんな「あーやっぱりか!これですっきり!」となり、「そんならこんなのいらないよね」となったのだ。
この「どっかで似たようなのを見かけたんだけど、それがどこだかわからなくてもやもやする」というのは、おおよその場合「つまんない」という一言で切り捨てられる。
つまり、あのエンブレムの問題は、「なんでこんなつまんないのが、オリンピックのエンブレムなわけ?」ということなのだ。
だから委員会のみなさんが、「だいじょうぶ、パクリじゃないです!オリジナルです!」と主張しても、そんなのは的外れなのだ。
だってみんなが本当に念じていることは「つまんねーから、とっかえろよ」なんだから。
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