2017年3月9日木曜日

ほんまでっか?ハイデッガー!【…の「気づかい」ってのは何なんだろうの続き編】

   世の中には臨死体験と呼ばれるものがあるそうだ。生きているうちに「死を想う(メメント・モリ)」のではなく、実際に死にかけて死の淵にあるときに経験すること、それを「臨死体験」と呼ぶのだそうだ。その時、人は自分の人生を丸ごと回想したりするという。そんなことになったら恥ずかしくて悶え苦しみそうだが、死ぬ間際ともなればどうでもよくなるのだろう。
 さらに上級者になると、なにやら川やら花畑やらがでてきて、その向こうに親しくしていた故人が手招きしてたり、来るな来るなしっしっとしてたり、楽しそうに遊んでいたりすると聞く。故人が取っ組み合いの喧嘩をしていたとか、白目をむいてちあきなおみのマネをするコロッケをマネていたとかは聞かない。あったらいいと思うが。
 そうした「体験」が死後の世界の存在を証明しているかはさておき、ここでわかるのは死の間際において、人生のあれこれはすべて「なつかしい」ものとなる、ということだ。彼岸に待ち受ける人たちもすべて「なつかしい」人たちばかりだ。
 そうしたことと同じようなことを、ハイデガーに語らせると以下のようになる。