ダニエル・カール
ダニエル・カール という、「山形弁をあやつる変な外人」てな立ち位置でタレントをしている人がいる。3.11のとき原発破損で沸き立つ海外メディアに対して、落ち着くようにとのメッセージをYouTubeで流していた。周囲の状況を理知的に見つめる眼を持った人だ。
それよりもずっと昔のことになるが、彼の発言でずいぶん印象に残ることがあった。『
噂の!東京マガジン 』という番組でのことだったが、確か大竹まことが「やっぱ俺たち、アメリカっていうとニューヨークとかロスとかが……」と、なんということもない発言をした時、それをさえぎるようにしてダニエル・カールがやや興奮気味に声を挙げた。
「ちがうよ!!ニューヨークとか、ロサンゼルスとか、あんなところはアメリカじゃないよ!!!」
色をなすカールに出演者はみなぎょっとしたが、司会者がすぐに別な話に移してその件はそこまでとなった。
じゃあ、ダニエル・カールの知る本当の「アメリカ」とは、いったいどこにあるのだろう?
『天国の門』 という「伝説の」映画がある。
どこらへんが「伝説」なのか、簡単に説明すると、『
ディア・ハンター 』という「ベトコンはロシアン・ルーレットがお好き」な感じの映画でアカデミー賞を受けた
マイケル・チミノ なる映画監督が、この『天国の門』に超々多額の制作費をかけたのにぽしゃってしまい、映画会社は倒産しチミノはハリウッドを追放された——という「伝説」である。映画一本あたりの損失が史上最高であるとして、一時期はギネスに載っていたくらいだ。(今は別な映画になってる)その後チミノは『
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 』で復活するが、それはまた別な話。
VIDEO
YouTubeの予告編をアップしてみたけど、これじゃただの勧善懲悪ラブ・ストーリーみたいだ。「夢の終わりにただひとつの愛を」とか意味不明。
(以下ネタバレが含まれます)